悟りを開いた人は、非常にたくさんの能力が開花されるそうだが、その一つに「解脱知見(げだつちけん)」というのがある。これは、「自分が、煩悩を超越し悟りを開いて(解脱して)いることを自分で知っている」ということである。
「煩悩を超越し」というところがポイントで、煩悩を消滅させているということではなく、煩悩も相変わらず備えているのだが、煩悩に振り回されなくなっている、ということである。
つまり、煩悩を超越しているということを自覚していると同時に、煩悩も相変わらず備えているということをも自覚しているということだ。仏教では、この能力は悟りを開いた人だけが持っているのではなく、実は誰しも持っている能力なのだが、それに気付いていない、もしくは充分に発揮されていないだけなのだと説いている。
人間は、頭脳的な能力だけとってみても、記憶力、計算力、判断力など、もちろん個人差はあるものの、他の動物と比べたら非常に優れた能力を持っているといえるが、なかでも、この「解脱知見」という能力は特に大事な能力である。
「悟り」とか「煩悩」ということを、おもいっきりカンタンに言い換えると、「長所」と「短所」ということになりそうだが、要するに、自分の「長所」と「短所」を、自分でよく把握するということが、特に人間関係を築いていく上では大事なことだということは容易に理解できることではなかろうか。
さらに、自分では「長所」と思っている部分が、回りの人から見たら「短所」だったりすることもありえるし、その逆もありえる。自分を顧みるということを常々意識できるようになりたいものである。
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