少し間があきました。今回はマメ知識を一つご披露申し上げます。
「彼の右に出るものはいない」という言葉がありますが、なぜ「左」ではなく「右」なのかご存知でしょうか?
それには以下のような理由があります。
古来より、天皇陛下は南を向いてお座りになられます。これは、儒教からきている天子南面の思想に基づくといわれていますが、天子南面の歴史をひもとくと、お釈迦さまが亡くなるとき、頭を北に向けて横たわられたため、その逆で天子は南を向くこととした、という説があります(どうして儒教でお釈迦さまを意識しているのかは分かりませんが、昔はいろいろつながりがあったのかなーと想像します)。
では、何故お釈迦さまは頭を北に向けられたのか(いわゆる北枕)・・・。これは、お釈迦さまが亡くなられたのは古代インドのクシナガラという町で、生まれ故郷のマガダ国の首都・ラージャグリハに帰る旅の途中であり、クシナガラから見てその生まれ故郷は北の方角だったため、頭を北に向けられた、ということです。
だいぶ回りくどくなってしまいましたが、まぁとにかく、そんなこんなあって、天皇陛下は南を向いてお座りになられる、ということになっております。
すると、天皇陛下から見て左側が東、右側が西となり、自然に、太陽が昇る側(日が垂れ込む側:左側)を上位、太陽が沈む側(日がみぎる、かげる側:右側)を下位とするようになりました。これを、一般大衆からの視点で見ると、天皇陛下の右側が上座、左側が下座となります。
そして、いわゆる左大臣とよばれる人達、この人達は天皇の左側、天皇に向かうこちらから見て右側に座る人達ですが、この人たちは天皇の次にエラい人達であり、右大臣とよばれる天皇の右側、こちらから見て左側に座る人達は、その次にエラい人達であります。
つまり、左大臣より右に座れる人がいるとするならば、それはイコール天皇であるため、結論として「彼の右に出るものはいない」というのは、こちらから見て左大臣より右に座れる人はいない、ということになります。
あと、お芝居などの舞台でも、向かって右側を上手、左側を下手といいますが、これなども古来からの右を上座、左を下座とする思想からきているのかもしれませんね。
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