恐れていたことが現実化してしまいました。
昨日、7月1日、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されました。
以下は、2014年7月2日付、北海道新聞に掲載された「集団的自衛権に関する首相会見(全文)」を一部抜粋しながら文章作成しております。(『 』内が抜粋です。)
安倍首相は会見で、『国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく』『海外派兵は、一般に許されないという従来の原則も全く変わらない』『外国の防衛、それ自体を目的とする武力行使は今後とも行わない』『日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ない』などと申されてはおります。
しかし、安倍首相が挙げられている事例として『例えば、海外で突然紛争が発生し、そこから逃げようとする日本人を、同盟国であり、能力を有する米国が救助輸送している時、日本近海において攻撃を受けるかもしれない。わが国自身への攻撃ではない。しかし、それでも日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定だ。』とは、聞こえはよさそうな感じはしますが、要するに、アメリカと他の国が戦争している時、日本人の命を助けるという名目ならば、アメリカと一緒に戦争に参加する、と言っているのと同じです!
歴史上、戦争によって国民の命が守られたことなど一度もないはずです。さらに、戦争に参加すると言っているのと同じであるならば、安倍首相の申されている『国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく』『海外派兵は、一般に許されないという従来の原則も全く変わらない』『外国の防衛、それ自体を目的とする武力行使は今後とも行わない』『日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ない』は、建て前どころか、とんでもないデタラメ、大ウソということではないでしょうか!
人類の歴史は、戦争の歴史といっても過言ではないと思います。家族間の争い、部族の争い、集団の争い、と、文明が進むにつれて争いの規模が大きくなり、最後は国と国の争いとなってきたわけです。しかし、少なくとも日本は、第二次世界大戦を大きな教訓として戦争を放棄する憲法を打ち立て、その上に発展を遂げてきたわけです。
それがここにきて、なんら教訓が生かされることなく、軍事国家に逆戻りしてしまうような状況を再噴出させる決定をしてしまった、といわざるをえません。
なぜこんなことになったのか、とことん理由を問いたい気持ちもありますが、もはやそんなことをいってる場合でもなくなりました。
一切の争いがない状態を目指すことこそが人類共通の願いといえると思います。ある偉大な宗教家は「猜疑がなければ、紛争も起こりえません。まことに、信頼こそは、人間社会成立の基礎となるものなのであります」と述べておられます。信頼の輪を大きく広げていく、そういう努力をこそ、たゆまずなすべきなのではないでしょうか。
このたびの閣議決定は一刻も早く撤回し、それこそ、かつて安倍首相ご自身がおっしゃっていた「美しい国、日本」を作るべく、世界中から信頼される国づくりに邁進していただきたいものであります。
[3回]
PR
COMMENT