試写会で見ました。良いとか悪いというより、いわゆる「衝撃の問題作」というべきでしょうか。(
<Yahoo!映画レビュー>にも書いてます)
※若干ネタばれあります。公式サイトは↓
とある紹介文に「2002年、脱北者25人が中国当局の警備をかいくぐり、北京のスペイン大使館に駆け込んだ事件をモチーフに制作した映画」と記載されていました。事実がベースになっていることもあるためか、非常にリアルというか、こんなに生々しくむごい映画はかつて見たことがありません。
見終わった直後、最初に感じたのは「日本に生まれ、今こうして居られる境遇が本当に有り難いことだったのだ」ということ。その後、ふつふつと「こんなにひどい国が、今こうしている現在も存在するのだ」というやり場のない憤りが湧いてきました。
生きるために、飼い犬すらも殺して食し、結核で苦しむ身重の妻を助けるためには、脱北して中国に渡らなければ薬が手に入らない。しかし、脱北すること自体が重罪であり、見つかれば殺される。うまく中国に渡れても、中国当局に脱北者とバレたらそれもまた重罪。
祖国に留まっても餓死するのを待つだけ。生きるために他国へ渡るのも命がけ。北朝鮮の底辺の人達は、いったいどうしたら救われるのでしょうか?
宗教がその役割を果たさなけばならないはずであり、この映画にも聖書を読むシーンが出てきますが、現実的救いが得られない主人公は、聖書を床に叩きつけてしまいます。
たった一つ、光が射したと思えたシーンは、ラストで主人公の息子がモンゴルの広大な砂漠の真ん中で行き倒れ、「お母さん」とつぶやいたこと。息子はあの世でお母さんに会えると信じていたのだと思います。
国家の体制、家族の絆、宗教の役割、生への執着・・・、一方日本では、自殺者の数が10年連続で3万人を超えているという現実もあるわけで、思いつめて自殺を考えてしまうような、そんな人にこそ見て欲しい映画でもあります。
真の救いとは何なのか、つくづく考えさせられた映画でした。
↓クリック宜しくお願いしますm(_ _)m
[3回]
PR
COMMENT
TBありがとうございます。
体制うんぬんというとこももちろんそうですが、それを差し引いたとしても、ジュニのような子は世界にたくさんいるように思いました。