<羽生~「最善手」を見つけ出す思考法~>という本を読みました。というか、だいぶ以前に購入して一通り読んだときは、「なるほど、そういうものかなあ」という程度の感想しか持ちませんでしたが、私自身もネット将棋で何局も対戦するうち、なんとなく、羽生三冠の強さの秘密の糸口は分かったような感じになりました。
本書は、羽生三冠が書いたのでなく、保坂和志さんという一作家が羽生三冠の将棋をもとに著された、将棋の本というより、サブタイトルにもあるように思考法に焦点を当てた、いわば人生哲学といえる書です。
保坂氏、「羽生は、勝つことを考え戦っているのでなく、常に最善手を見つけるために考え、戦っている」と述べられています。さらにそれは、自分ばかりが最善手を指すのでなく、対局相手も最善手を指すであろうことを大前提としている、といいます。
もっと簡単にいえば、「自分との戦い」であるでしょうし、「自分と戦っている者同士の戦い」ということになるでしょうか。そして、最善手を考えるということは、いかにミスをしないか、ということでしょう。
仏教に「
<七仏通戒偈>(しちぶつつうかいげ)」という教えがあります。これは、仏の教えを端的にいうと何かということの結論的教えであり、それは以下の偈文です。
諸悪莫作(しょあくまくさ)
衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)
自浄其意(じじょうごい)
是諸仏教(ぜしょぶっきょう)
現代語に訳すと「もろもろの悪をなさず、もろもろの善を行ない、自らその心を清める、これが諸仏の教えである」となります。
この七仏通戒偈の最初に「諸悪莫作:もろもろの悪をなさず」があるのは非常に意義深いと感じます。いかにミスをしないか、というのは、まさにこの「諸悪莫作」の実践であると思えるからです。
良い習慣を身につけるためには、まず悪い習慣と思われることをたった一つでもいいから止めることから始めることが大事と学ばせていただいたことがあります。
諸悪莫作、常に心すべき教訓であると思います。
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