為せば成る
為さねばならぬ
何事も
成らぬは人の
為さぬなりけり
この言葉は非常に有名であろう。しかし、誰が詠んだかまで知っている人はあまり多くないのではなかろうか。
答えは、米沢藩十代藩主の
上杉鷹山(うえすぎ ようざん)という人である。
と聞けば、割とご存知の方も多いと思われる。藩主当時、たいへん貧困をきわめた米沢藩の財政を、質素・倹約の精神をもって、見事黒字に転換させたというお方である。
今の時代でも、特に政財界の方々などには有名であり、経済が下向きの世の中になったときなど、この上杉鷹山の精神がよく持ち出されたりする。
そして、かのアメリカ元大統領ジョン・F・ケネディに、ある日本人記者が「日本の歴史人で尊敬する人はいますか?」という質問をしたところ、大統領は「ヨウザン・ウエスギ」と答えたそうだ。しかし、そのとき質問した当の日本人記者は、上杉鷹山のことを知らず、あとからあわてて調べたというのも知る人ぞ知るエピソードである。
ところで、鷹山は米沢藩の十代藩主であるが、初代藩主は誰かご存知であろうか?そう、
上杉謙信である。そして、その上杉謙信の宿命のライバルといわれた戦国時代の殿様は、
武田信玄である。
さて、ここからが本題。「為せば成る・・・」は鷹山が言った言葉であるが、その200年以上も前に、武田信玄は次のような言葉を遺している。
為せば成る
為さねば成らぬ
成る業を
成らぬと捨つる
人のはかなさ
やればできるはずのことを、やらないのが人だ、あー情けない。といった意味にとることができる。
つまり鷹山は、信玄が詠んだ、ある種なげやりな意味が感じられるこの詩を、人に奮起させるように言い換えたのだ。
鷹山から見れば、自分のご先祖様の宿命のライバルの詩をアレンジしたわけであり、一見盗作のようにも感じられるが、より発展的に表現を変えている分はいい意味で評価できると思う。
ま、そういうことも含めて「為せば成る」なのだ。
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