仏教には業(ごう)という思想があります。いや、仏教あるいは宗教に限らず、一般常識かもしれません。業とは、他にカルマといったりしますが、この業とかカルマの意味は「ある行為による結果と影響であり、その結果と影響によって蓄積される心」であります。もっと簡単にいえば、たんに「行為」といえます。
行為とは、無意識もしくは無条件に行う行動(尿意をもよおしたのでトイレに行く、電話が鳴ったので電話のところまで行く、等)ではなく、自分の意思で、頭で考えて行動することを指します。さらに言えば、実際に行動に移さなくとも、頭で考えることだけでも行為のうちに入ります。
つまり、今現在の自分があるのは、過去に無数の行為を行った結果である、というのが業の思想です。よく「あの人は業が深い」などというように、業という言葉自体がよくない意味で使われることが多いですが、その場合は、正しくは「悪業」ということです。逆に言えば「善業」という考え方もあるわけです。
いままでの自分の行為をなおざりにせず、積極的に省み、よかった所を伸ばそう、悪かった所を改めようという気持ちで「善業」を積むことを心がけることが大事なことであり、そういうことを説いているのが業の思想です。
1日に1回でも、自分の行為をじっくり省みる時間を持つことを実践していきたいと思います。
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