鍵山秀三郎さんという方をご存知でしょうか?このかたは、株式会社ローヤル(現イエローハット)の創業者で、
<日本を美しくする会>というNPO法人の相談役を務めておられる方です。
鍵山氏の人となりについては、こちらをご覧になるとよくお分かり頂けると思います。
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<鍵山秀三郎氏 「経営と人生 問答塾」>鍵山氏は、イエローハットを創業する以前から、40年以上も掃除を、特にトイレ掃除を続けられているのだそうです。イエローハットの従業員さんですら、会社のトイレ掃除をしている人がまさか我が社の社長だとは気がつかなかったというエピソードもあります。
掃除というのは、いままでは単に汚れを取り除くこと、という認識しかありませんでしたが、どうもそれ以上に重大な役割というか効果があるようです。つまり、目に見える汚れを取り除くということと同時に、自分の心の汚れを取り除くものである、ということです。
特にトレイ掃除は、その効果は絶大で、トイレ掃除を続けることによってキレイとかキタナイという意識を超越し、食べ物の好き嫌いだけでなく、対人関係においても好きとか苦手という意識をなくすことができるというのです。
さらに、以前にも紹介したことのある
<小林正観氏>は、著書の中で、トイレ掃除をすると金回りがよくなる、とおっしゃっておられます。これはさすがにそのメカニズムは分かりませんが、体験されておられる方が大勢いらっしゃることも事実のようです。
要するに、自分の心の汚れを取り除き、物に対して感謝の心を養うことを目的とする掃除ならば、汚れているから掃除をするという意識ではなく、毎日繰り返したんたんと行うものである、ということになります。
仏典に出てくるお釈迦様のお弟子さんでシュリハンドクという人がおられますが、この人はおつむのほうが少々弱く、自分の名前すら覚えられないという人でした。この人は、そんな自分が情けなくなり、こんな自分では仲間にも迷惑をかけるし、仏道修行を続けることはできないとお釈迦様に泣きながらうったえます。お釈迦様は、それならばということで、「塵を払わん、垢を除かん」という言葉だけを唱えながら毎日庭の掃除をするようにと指導したそうです。シュリハンドクは、この「塵を払わん、垢を除かん」を必死で覚え、くる日もくる日もその言葉を唱えながら掃除を続けたところ、ある日、「塵や垢というのは、実は自分の心の塵や垢のことであったのだ」ということに気付き、お釈迦様と同じ悟りを得ることができたのだそうです。
去年あたりから私自身も自宅のトイレ掃除は毎朝行っておりますが、たしかに気持ちがいいものです。10年も20年も、かつ楽しく有難くなれるよう続けていきたいと思います。
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